
「SEO対策」と聞くと、多くの方が「検索結果で上位表示させること」と考えるのではないでしょうか。
もちろん上位に表示されることは重要ですが、それ自体が最終的なゴールではありません。大切なのは、目的を持って検索をしているユーザーに求めている答えをきちんと提供し、最終的に自社の目的(お問い合わせや購入など)につなげることです。
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略ですが、文字にひきづられないようにしましょう。実際の本質は「検索する人にとっての最適化」です。
つまり、単にアルゴリズムに合わせるのではなく、ユーザーの検索意図や来訪意図を理解し、役立つ情報を届けることが求められます。
この記事では、SEO対策を始めるにあたり知っておきたい基本的な考え方から、キーワード選び、運営の視点までを整理して解説します。これからSEOに取り組む方はもちろん、すでに実務に携わっている方にも役立つ内容です。
SEOを行う理由
SEO対策を行う理由は、一言でいえば「長期的に安定した集客の基盤をつくるため」です。
広告出稿による集客は即効性がありますが、クリックのたびに費用が発生し、出稿をやめれば流入も止まってしまいます。一方でSEOによる自然検索からの流入は、一度成果が出ると継続的にアクセスを得られる可能性が高く、中長期的な投資として大きな価値があります。
また、ユーザーは検索結果を閲覧する際に「広告よりも自然検索を信頼する」傾向があります。検索で上位に表示されること自体が、ある種の「信頼の証」となり、ブランドの認知度や信頼性を高める効果も期待できます。
さらにSEOは、単なるアクセス増加のためだけではなく、ユーザーの検索意図に応える過程で、自社の強みや情報発信の整理につながる点も大きなメリットです。コンテンツを整備することで、マーケティング全体の基盤が強化され、他のチャネル(広告・SNS・メールなど)とも相乗効果を生みやすくなります。
つまり、SEOは「順位を上げるための作業」ではなく、ユーザーに選ばれるための基盤づくりであり、長期的な事業成長を支える戦略なのです。
SEO対策のゴールとは
冒頭でも書いたように、SEOの目的を「検索順位を上げること」と考えてしまう方は少なくありません。確かに上位表示は重要ですが、それ自体はゴールではなく、あくまで通過点にすぎません。
本来のゴールは、検索して訪れたユーザーが「求めていた答えを見つけること」、そしてその先にある自社の成果(問い合わせ、購入、資料請求など)につながることです。
ここで意識しておきたいのが「検索意図」と「来訪意図」の違いです。
- 検索意図 … ユーザーが検索窓にキーワードを入力した背景や目的
⇒「乾燥肌 改善方法」と「スキンケア」では、検索後に期待している結果が微妙に異なっています。能動的に入力されたキーワードの為、検索キーワードには、ユーザーのインサイトが表れやすいです。 - 来訪意図 … 実際にサイトに訪れたときに期待している情報や体験
⇒ユーザーは、検索結果に並んだページ情報の中から、自分が知りたい内容が書かれていると思われるページをクリックします。クリックをした=期待している内容がある為、その来訪意図に合わないと判断されたページからは離脱しやすくなります。
検索キーワード情報は調査が可能です。検索意図のキーワードの真意を想定しながら、来訪意図に応えるられると想定されるコンテンツを用意、導線の改善をすることで、ユーザー体験は大きく向上します。その結果、検索順位だけでなく、コンバージョン(CV)や顧客との関係性強化にもつながっていきます。
つまり、SEO対策のゴールは「上位表示」ではなく、ユーザーの課題解決を通じてビジネス成果を実現することなのです。
キーワードの考え方
SEOを始めるうえで欠かせないのが「キーワード選び」です。キーワードは、検索するユーザーの意図や興味を理解するための手がかりとなります。ここで押さえておきたいのが、潜在キーワードと顕在キーワードの違いです。

潜在キーワード
ユーザーがまだ課題や解決策をはっきり意識していない段階で検索する言葉です。情報収集やお悩みのシーンなどの内容が多く、コンテンツとして提供することで、ユーザーとの接点を早期に作ることができます。
検索意図が「気になった/知りたくなった」「なんとなく悩んでいる」などの為、知ることが来訪意図であることが多いです。急に飛んだ先のページでアクションを求められると離脱してしまう可能性もある為、知りたいことを確実に知らせた上で、自分事化してもらえるコンテンツが求められます。
顕在キーワード
ユーザーがすでに自分の課題や欲しい解決策を明確にして検索する言葉です。購入や問い合わせなど、コンバージョンに近い段階で使われます。
検索意図が「買いたい」「特定の行動をしたい」という場合が多い為、具体的なアクションが来訪意図であることが多いです。Webサイト来訪後の導線が悪いと離脱や印象が悪くなってしまう為、来訪意図を最短で叶えられる導線やデザインが必要になってきます。
キーワード選びのポイント
SEOでは、キーワードに合わせてコンテンツを作ること=ユーザーの期待に応えることです。潜在キーワードで興味を引き、顕在キーワードで成果につなげる。これが戦略的なキーワード設計の基本です。
SEOの基本的なやり方
SEO対策では、検索意図や来訪意図を理解したうえで、自社サイトにどのキーワードで来訪しているかを確認することが出発点です。具体的には、Googleサーチコンソールなどのツールを使い、以下のポイントをチェックします。
1)キーワードごとの流入状況を確認する
- インプレッション数:検索結果に表示された回数
- クリック数:実際にサイトが訪問された回数
インプレッション数が多いのにクリック数が少ない場合は、タイトルやdescriptionがユーザーの来訪意図に合っておらず、他のページが選ばれてしまっている可能性があります。
タイトルやdescriptionを見直し、検索結果を見たユーザーが「クリックしたい」と思える内容に調整してみましょう。また、検索キーワードで検索したユーザーの気持ちになって、検索結果に並んでいる他のサイトの文言を参考にし、来訪意図に合う内容を考えてみましょう。
2)ページ滞在や離脱を確認する
- サイトに来た後、すぐに離脱してしまう
- コンバージョンにつながらない
このような状況の場合、ユーザーの来訪意図とページ内容が合っていない可能性があります。
期待される情報がページにきちんとあるか、わかりやすく伝わる構成になっているかを確認し、必要に応じて改善します。こちらも同じ検索キーワードで表示されている他のサイトを見て、自分たちのページに足りない情報がないか見比べてみると参考になります。
3)改善のサイクルを回す
- 検索意図と来訪意図に合わせてタイトル・本文・内部リンクを改善
- 効果を確認してさらに調整
- 短期ではなく中長期で効果を見ながら運営
SEOは「上位表示」だけを追いかける作業ではなく、ユーザーの期待に応えるページを増やし、徐々に成果につなげる運営です。小さな改善の積み重ねが、長期的な成果につながります。一度変更して終わり、ではなく継続的に自社サイトのアクセス状況を把握し、変化が起こっている個所がないかを定期的に確認しておくことが大切です。

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