「プロダクトアウト」と「マーケットイン」から始めるマーケティング

マーケティングを始めるとき、つい手法やツールから考えがちですが、最初に整理すべきなのは「誰に、何を、なぜ届けるのか」という本質的な問いです。この問いを考えるきっかけとして、「マーケットイン」と「プロダクトアウト」の違いを正しく理解しておくことが重要になります。

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」の違い

プロダクトアウト

技術やアイデアからスタートして、顧客に「届けたいもの」をつくる考え方です。お客さんが想像できないようなものを作れる可能性もある一方、誰が使うのかがよくわからなくなり、市場に広まるのに時間がかかってしまう場合もあります。

マーケットイン

顧客の課題やニーズからスタートし、それに合う製品やサービスをつくる考え方です。お客さんが必要なものを知った上で市場に出せる為、商品の潜在的なポテンシャルを把握しやすかったり、プロモーションを行いやすくなりますが、データを信用しすぎてうまくいかない場合や、お客さんのニーズ以上のものが生まれ辛い場合もあります。

プロダクトとマーケットの見える化

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」どちらも一長一短の考え方のようですが、実はマーケティングを行う上で、土台となる考え方に昇華できます。

「マーケット」とは

ここではマーケット＝商品を購入してくれる消費者、と考えてみましょう。

消費者は対価を払って商品を買ったり、サービスを受けます。なぜ対価を支払うかというと「〇〇したい」という解決したい思いがあるからです。

その思いの中で、問題が起こっており解決したい問題（マイナスをゼロにする）をペイン、問題が解決することは前提でさらに良い状態にしたい問題（マイナスをプラスにする）をゲインとして、捉えることができます。

「プロダクト」とは

同様にプロダクト＝製品やサービスとなります。プロダクトはメーカーやサービス提供企業や人の想いが込められたモノです。それぞれのプロダクトには「〇〇できる」というベネフィットがあります。

それぞれの見える化

さらに深堀をして整理をすると、マーケティングを行う土台となる考えが見えてきます。

「〇〇したい」とは、「誰が」「どんな時に」そう感じたのでしょうか？

「〇〇できる」とは「何を使って」「どんな機能で」実現できるのでしょうか？

それぞれを整理した後に、俯瞰をしてみると、プロダクトは狙いたいマーケットの「〇〇したい」を満たせているでしょうか？マーケットの想いを「〇〇できる」に反映できているでしょうか。

まとめ：「マーケット」と「プロダクト」をバランスよく

メーカー視点、顧客視点などと言われますが、マーケティングを考える際に大切になってくるのは、俯瞰して全体のバランスを見ることです。

マーケティングを強化しようと、さまざまな手法やツールの利用を検討する前に、「誰に、何を、なぜ届けるのか」を整理していただくことで、なぜそれが必要なのかが明確になってきます。